「extensive」と「broad」という単語ですが、どちらとも「広い」を表す言葉として使われることがあります。
しかし、この二つの単語にはニュアンスの違いがあります。
今回は、「extensive」と「broad」の違いを説明していきます。
2つの単語の違い
まずは簡単に違いを説明します。
「extensive」は量や範囲の大きさに焦点があります。
一方で「broad」は内容や種類の広がりに焦点があります。
この説明だけではいまいち両者の違いや使い方がピンとこないと思うので、
一つずつ詳しく説明します。
extensive
まず、「extensive」は、物事がどれだけ多いか、広いか、規模が大きいかを表すときに使われます。
たとえば、大きな火事があったとします。
被害が家1軒や2軒だけであれば「minor damage(軽微な被害)」ですが、これが100軒以上に広がっているような場合、「extensive damage(広範囲の被害)」と言います。
ここでのポイントは、どのくらいの範囲に被害が及んだかという物理的な広がりです。
もう一つの例として、ある研究プロジェクトを考えてみましょう。
5人に聞いただけの調査は「small-scale research(小規模な調査)」ですが、10か国・5000人を対象に半年かけて行われた調査であれば、「extensive research(大規模な調査)」と呼びます。
ここでも、「広い」と言っているのは、調査対象の数・期間・地域など、測定できる範囲の大きさのことです。
broad
一方で、「broad」は、何かがいろいろな種類や分野にわたっているときに使われます。
例えば、ある人が「歴史にも、科学にも、芸術にも詳しい」場合、その人の知識は「broad knowledge(幅広い知識)」と言えます。
これは「知識がどれだけ深いか」ではなく、知っている内容の種類が多いという意味です。
また、趣味に関しても同様です。映画、料理、登山、クラシック音楽、ゲームなど、ジャンルの異なる活動を楽しむ人には「broad interests(多様な関心)」という表現を使います。
このとき重要なのは、関心のジャンルがいくつもあるということです。
つまり、「extensive」は「大きさ・多さ」に、「broad」は「種類・多様性」に注目した言葉です。
例文
extensive
The library has an extensive collection of books.
図書館には広範囲な本のコレクションがあります。
She did extensive research for her science project.
彼女は理科の課題のために広いリサーチをしました。
The storm caused extensive damage to the town.
嵐は町に大きな被害をもたらしました。
broad
He has a broad smile on his face.
彼は顔に広い笑みを浮かべています。
The road became broad as we left the city.
街を出ると道が広くなりました。
She has a broad knowledge of history.
彼女は歴史について幅広い知識を持っています。